私のカバンはとても重たいです。
一人で抱えきれないくらいに。
「君たちのカバンの中に」という在日コリアンが作った歌があります。「遠い通学路でも毎日元気良くカバンを持って『ウリハッキョ』(朝鮮学校)へ通っている私たち」朝鮮学校の子どもたちへ向けた母親たちの想いを歌った歌です。
実際に私も家から学校まで1時間以上かけて通っています。毎日「いってきます」と叫んだら「頑張れ」と声をかけてくれる私のお母さん。お金が無いと言いながら、毎月高い学校の運営費をちゃんと出してくれます。そして私は両親の「希望」を背負って毎日学校へ向かいます。
私のカバンの中にはたくさんの「希望」がつまっています。両親が私にたくす「希望」。少し前に卒業した母校の先生たち、今学ぶ神戸朝高の先生たちの「希望」。日本社会が、私たち朝鮮人を認めてくれる未来への「希望」。そしてこれから成長して社会へ羽ばたく私たちが心の中に秘めた「希望」がたくさんつまっています。
「君たちのカバンの中には希望がつまっている。だからオモニたちは遠くはなれているけど、君たちを朝鮮学校へ送るんだよ。私たちはいつもいつも君たちを見守っているから」
私のカバンはとても重たいです。三ペンマークがついた普通の学生カバン。私は、毎日重たいカバンを一生懸命持って歩きます。カバンからあふれる「希望」を全身で感じながら。